日記 2005年6月

6月2日(木)ダカ一ル上京
ラッキ一なことに、Kaolack→Dakar間の荷物代がとられなかった。嬉しい。
セネガルの乗合タクシ一(7人乗り:セットプラス)では、運賃の他に荷物代をとります。運賃は固定されていますが、荷物代は交渉制なので毎回の交渉が大変。気分を悪くするような出来事もあるので疲れます。荷物がないときはかなり気楽です。
私が上京する時は、まず自宅横の国道で乗合バス(カ一ル)に乗ります。これは400FCFA(80円)です。Kaolackという地方都市(約50KM)まで50km、約1時間半の乗車です。雨季の強い雨により、国道のアスファルトに穴があくと蛇行・徐行運転になるので同じ道のりで約2時間〜2時間半くらいかかってしまいます。Kaolack到着後は、別のガラ一ジ(乗合タクシ一タ一ミナル)に行かなくてはなりません。タクシ一で5分くらい。助手席に2人、後部座席に3人計5人で乗合です。運賃は1人150FCFA(30円)です。そして、ダカ一ル行きのセットプラスに乗ります。運賃は2500FCFA(500円)です。乗車時間は、約3時間〜4時間前後です。早朝出発すると3時間くらいで到着できます。セットプラスはちょっと大きめのワゴン車です。助手席にはだいたいいつもセネガル民族衣装をまとった長老といった感じの男性が乗ることが多いです。一番楽な特等席です。私はセネガル人に比べたら小柄なのでいつも一番後ろの端の席に乗れと言われます。最初は「なぜいつも同じ席になっちゃうんだろう・・・」って思いながらも従っていたけど、もう慣れてきたので自分で希望の席を言えます。何も言わないと、誰もが座りたくない席になってしまいます。後部座席は2列になっていて、各列3人ずつ乗れます。お尻の大きいおばちゃんたちに囲まれちゃったら最後、ダカ一ル到着まで身動きがとれません。そんな時は、足腰、お尻が痛くなり大変です。

6月3日(金)報告書提出
協力隊は任期中に5回報告書を書いて提出します。1号は赴任後3ヶ月、2号は赴任後6ヶ月、3号は赴任後12ヶ月、4号が赴任後18ヶ月です。最終の5号は24ヶ月で帰国前に提出することになっています。提出する日は自分で決めてそれに向かって作成しています。今日がその自分で決めた締め切りとなっていました。無事に提出することができてすっきりしました。今回は、自分の報告書のほかに地域で展開している複数隊員の連携活動の報告書も別に提出しました。この活動は、同じ地域にいる隊員たちが協力し合い、ひとつのパイロット村総合開発に取り組むというものです。これを始めたのは今年の3月です。現在、助産師・保健師・村落開発普及員の3名でやっています。母子保健、村の衛生教育、学校保健、置き薬、かまど作り、植林、学校菜園・・・などなど村の問題解決に向けて多角的に取り組んでいこうと思っています。活動は、村調査及び村人たちとの話し合いによって進められていきます。

6月4日(土)日本のテレビドラマ鑑賞
今日は、朝からビデオを観ていました。日本から送られてきたドラマ「救命病棟24時」です。病院勤務の頃を思い出しながら楽しめました。今回は震災時の災害救助活動がメインとなっていておもしろかったし勉強になりました。
日本のテレビ番組を録画したビデオテ一プは沢山あります。上京した時のちょっとした楽しみでもあります。ただ、上京時には色々とやりたいことがあり時間がもったいないので、オ一ルナイト上映などで観ています。

6月5日(日)海へ
今日は、帰国する隊員がいるので最後のダカ一ル観光としてンゴ一ル島方面へ行ってきました。島の対岸でのんびりと海を眺めて過ごしました。ここに来たのは初めてです。この辺にはビ一チがあります。レストランで昼食を食べて戻ってきました。
連絡所に戻るとすぐに、私は帰国隊員のために夕食を準備しました。他に送別会に集まる隊員たちの分も入れて約30人分を作りました。昨夜から下ごしらえをしてあったし、数名の隊員が手伝ってくれたので時間に間に合いました。皆で食事をした後、空港へ見送りに行きました。帰りたくないと言っていた彼女をみて、いざ帰国となると、私もそんな心境になるのだろうなぁと思いました。

6月6日(月)日本語教師体験
ダカ一ルで、日本語教師として活動している隊員の日本語クラスにおじゃましました。中級クラスだったので、学習者たちは簡単な会話ならできます。今回は私の趣味である料理を中心に話をしました。お茶会のようにしましょうということだったので、蒸しケ一キと餡子を作っていきました。作り方は日本語で説明をしました。日本語が上手なのでびっくりです。ゆっくりと話をすればだいたいのことは理解してくれました。学ぼうという意欲があり、質問も沢山でました。楽しい2時間を過ごすことができました。
その夜は、ホテル泊でした。セネガルにいる隊員(55名)が全員健診などのために集まるので。部屋に戻ってシャワ一を浴びようと浴室に入って鍵を閉めたら・・・ちょっと嫌な予感がしたのでもう一度開けようとしたところ鍵が開きません。閉じ込められてしまいました。幸い、2人で泊まっていたのでドアを叩いてもう一人を呼んで従業員に知らせてもらいました。でも、どうにもなりません。あきらめずにしばらく色々試してみました。そうしたらようやく開きました。私はなぜか、トイレなどに入って鍵が開かなくなり閉じ込められるという事件に何度も会っています。鍵を閉めるのが怖くなりました。

6月9日(木)健康診断
健診の結果がでました。何の異常もなく、ホッとしました。まさに健康体です。食生活かなり気をつけています。セネガルの食事を控えめにしていたら、総コレステロ一ル値が結構下がりました。体重は少し減ったようなのですが、外見上はほとんどかわりません。(と、私は思います)ちょっと太った?とも言われます。恐らく、肉のつく場所が変わったのでしょう(笑)。まぁ、こういう厳しい環境で暮らしていくには健康が第一ですね!
日焼けには気をつけたいと思って日焼け止めを日本から2本もってきましたが、1年半経ったいまでもまだ残っています。だいたいいつも外出時につけるのを忘れてしまうのです。色は白いほうでしたが、今ではこんがり茶色になっています。でもこれ以上は焼けないようです。髪の毛は伸び放題です。最後に切ったのは昨年10月フランスのパリで。このまま帰国まで切らずに伸ばそうかと思っています。

6月10日(金)アロママッサ一ジ
今日、日本で爆発的人気だったという「冬ソナ」をみました。皆が観ている途中で私は出掛けてしまったのですが、帰ってきた時もまだ続いていました。途中をみていなくても、だいたいのスト一リ一の流れは読めてしまいました。最終回は意外にあっけなかったなぁ。
今日は思いっきり贅沢をさせてもらいました。初めてアロマ全身マッサ一ジに行きました。体が疲れていたのでだいぶ楽になりました!日本では毎月のように行っていたのですが、こちらに来てからは他の隊員に時々頼んでマッサ一ジをしてもらうだけでした。ラベンダ一、カモミ一ル、レモンといったリラックス系のアロマオイルのブレンドでかなり癒されました。これでまだしばらく頑張れます。

6月15日(水)雨季はまだ・・・
昨年は、5月末から激しい雨が降り出したのに今年はまだです。気温は36℃〜38℃くらいで落ち着いています。40℃以上の毎日が続いた4月〜5月に比べたら大分過ごしやすいです。ただ、汗が止まらないのでかなり不快です。快適な暮らしはできないですね。
今日は、来月実施予定のマラリア予防キャンペ一ンについての説明を村でしてきました。

6月17日(金)長い停電
昨日の夕方からずっと停電していました。電力会社によると、Kaolackからこちらに来る途中で電柱が4本倒れたからだそうです。恐らく、昨日の強風でだと思います。普段停電は多いのですが、一晩くらいならそれほど影響がありません。夜、停電が続いてなかなか戻らないようであれば寝てしまいます。しかし、今回のようにずっと続くとこの村の生活に支障がでることがわかりました。この辺は、地下水を電力でくみ上げて水道のように蛇口から出しているようです。なので、停電となれば水の供給が止まってしまいます。たまたまうちには十分水を貯めてあったので復旧までなんとかなりましたが、電気がないより水がないほうがきついです。
しだいに冷蔵庫内のものがどんどん温かくなってきてしまいました。今回は、25日に行われる隊員の歓送迎会のためにわざわざ首都から運んできた「ひき肉」が入っていたのでだめにならないうちに加熱料理してしまうことにしました。「ひき肉」はこちらでは手に入らない貴重なものです。
まだ電気がこないようであればKaolack在住隊員宅に持っていっって冷蔵庫に入れておいてもらおうと思いましたが、夕方突然電気が戻りました。おそらく、明日はW杯出場にかけたサッカ一の試合があるのでがんばって復旧させたのでしょう。

6月18日(土)サッカ一試合
私の家にはテレビがないので、サッカ一の試合は他の家で見せていただきました。普段あまりサッカ一を観ることはなく今回初めてセネガルのサッカ一を観ました。なかなかの接戦でおもしろかったです。結局2対2の引き分けとなってしまい、試合はそれで終了です。今後どうなるんだろう?とちょっと興味をもってきました。セネガル人たちは皆相当がっかりしていました。もし勝てば、静かな片田舎の町で大歓声が湧き上がるところでしたが・・・。

6月22日(水)マラリア予防
この辺はマラリア流行地域です。特に雨季になるとマラリア患者が急増します。そんな中で、私たちはマラリア予防活動に取り組んでいるのですが、同時にマラリアの危険は私たちにも迫っています。
セネガルに到着したその日から、毎日1錠マラリア予防薬を飲まなくてはいけません。サバリンというProguanilとChloroquineの合剤です。数年前からクロロキン耐性マラリアが増えたので、クロロキンのみを予防薬として使うことができなくなりました。村人たちは安価で手に入るクロロキンが使えなくなり、予防策といったら蚊帳の使用くらいしか選択肢がない状態です。他、殺虫剤の使用というのも考えられるのですがこちらではなかなか手に入りにくいです。とりあえず、蚊帳の普及をまずしてその次の段階として普及された蚊帳のメンテナンス(殺虫剤再塗布)を考えていきたいと思っています。残念ながら、任期中には全てやることができません。村人たちがなんとかできるようになるといいのだけれど。
私たちは予防薬、虫除けスプレ一、蚊取り線香などが支給されます。蚊帳は各自購入します。私は県立の病院で3250FCFAで購入しました。村人にとってこの値段はかなり高価です。せめて2000FCFAにならないか。という村人たちの声があったので、1250FCFA割引をして販売すれば蚊帳の普及ができるのではと考えてキャンペ一ン実施を計画しました。現在村の蚊帳普及率はかなり低く、毎年マラリア罹患ケ一スが後を絶たない状態です。セネガルの死因1位はマラリアです。マラリア対策は非常に重要なので、来月のキャンペ一ンは頑張りたいと思います。
ところで、今日はちょっと油断してしまいました。予防薬サバリンは、空腹時に飲んではいけないのですが、ほんの少しだけだけど口にしたからいいだろうと思って飲んだら・・・また気持ち悪くなり吐いてしまいました。以前も断食1日体験をした日に同じようなことになっていました。この薬、かなりの威力です。これを2年間プラス帰国後1ヶ月ずっと飲みつづけるというのは恐ろしいことです。でも、これを飲まないとここでの生活は危険です。予防薬を飲んでいてもマラリアに罹る可能性はあるのですが、原虫の数が少なく症状が軽く済むようです。飲まないでいるとばれてしまいます。幸い私はこれまで罹ったことがありませんが、残り約5ヶ月半、油断せずに予防を続けようと思います。

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